村の小学校に転校生がやって来た。”マー君”という。

いつもやかましい五、六年の女子もいっせいに注目した。

きれいな言葉でしこばって挨拶した。

えび茶色のチョッキと紺色の半ズボンでお辞儀をして教室に入った。

あか抜けしてカッコいい。三年のシンちゃんは、

「半ズボン・・寒ぐねぇが?だいじが?」

と訊くと、ニコッと笑いながら

「ええ寒くありません・・大切にしてます」

高級そうなランドセルを背負ったままクリクリした目を向けて答えた。

ホントに利口そうな転校生だ。そして自分のことを「ボク」と言った。

一年のカンちゃんはマー君に感化されて丁寧にしゃべった。

「これがら”ボク”っつうんだオレ!」

みんないっせいに笑った。マー君も笑った。

 

**********

しこばる=かっこつける

だいじが?=大丈夫か?

~つうんだ=~というんだ

**********