でっかい鍋が鈎づるしに掛かり、いろりの上で揺れている。

牛小屋の方がら婆ちゃんの声が響く。

「きんぞう、燃えしゃーったら、燃し木つっくべろ!」

オレはきじりの方がら粗朶を押し出した。

「きんぞう、煮立ったばらうでん三把入れで茹でろ!」

「うん、わかった」

オレは燃し木を運び、そのあどでうどんを入れだ。

「良くかんまさねぇどダメだかんな!」

「うん」

しかし庭で遊びに夢中になって鍋をかんますのを忘れだ。

うどんは、でっかい「茹で餅」みでぇに固まっちまった。

「この、デレスケ!」

家族みんなに怒られた。

 

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燃えしゃーる=燃え下がる

つっくべる=燃し木をいろりの中央へ押し出す

きじり=いろりの端、横座の反対

かんます=かきまぜる

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