晩方、埼玉の親せきのおばやんらが来た。バルがら降りて

県道を通り、門場を歩いて来る。オレは婆ちゃんに言われで

迎えに出た。

「あれ!きんぞう君、大きくなったわね」

「ほぉー、何年生かな?」

そうだごどを聞いて一緒に砂利道を歩く。去年も同じ事を

聞いたと思う。オレが重い箱のような荷物を持って歩ぐど、

晩方放したニワトリが〈コーッココ〉なんて独り言をいい

ながら近づき、地面をつっついでいる。

それを見ながら二人は土間に足を入れると、せーふろの煙で

家ん中はいぶくてしゃーねえ

目をこすりながら頭を下げて声を掛けるお客に

「あれーまあ、良ぐ来たねえ!」

婆ちゃんのでっかい声が響き出す。

オレはお土産が楽しみだ。

 

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そうだごど=そんなこと

せーふろ=お風呂

いぶい=けむい

しゃーねえ=しょうがない

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