村の人らはオラげの婆ちゃんを「おつるさん」と呼ぶ。

親せきの年配の人らは「おづる婆っぱ」と言う人もいる。

青年団の人が「丹頂鶴」と名付けたらしい。家と畑と田んぼを

往復するだけだから・・「単調ツル」と。

本人もそれは知っているとは思うげんと確証はねぇ。ふんでも

その名付けのウラには働き者というイメージがあんだと思う。

今日も地下足袋をはいて鍬(くわ)をひっかついで畑さ歩く。気温が

上がって、いよいよ蒔きもので忙しくなっからその準備だ。

「春休みのうぢは手伝いしろよ!あど少し経ったら鎌を持って来ぉ」

「わがったよ」

その後で鎌だけ持っていって怒られた。

「鎌に砥石(といし)は付き物だんべけぇろぐ回んね孫だ」

ふんでも、晩方十円もらった。

 

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オラげ=自分の家

ふんでも=でも

あんだ=あるんだ

~だんべ=~だろう

けぇろぐ回んね=気が利かない

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