気温が上がってポカポカと気持ちがいい。雑木の山が芽吹いて

きれいだ。沓沢の上の方は楢(なら)と櫟(くぬぎ)が多いがら銀色に光る。

おおぬ蔵沢の方はモミジやサンナメシノデンボが多いがら

薄い赤みが混ざって独特な色合いが優しく山を包んでいる。

「さ~で、かんぷら蒔きだ。きんぞうも手伝えよ」

婆ちゃんが庭がらどしなっている。日曜はいづ~もそうだ。

「うん」

オレは返事だけしてマー君と遊んでいる。婆ちゃんがバケツに

アグを入れてきて、芽を見ながらかんぷらのタネを切った。

「きんぞう、これにアグをくっつげろ!」

オレは不思議な顔のマー君に教えてやった。

「灰の事をアグって言うんだ。覚えておけ!」

「ハイ!」

 

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かんぷら=ジャガイモ

サンナメシ=リョウブ

ノデンボ=ヌルデ

どしなる=怒鳴る

アグ=灰

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