朝ま起きてよーくと見だらば、この前来たツバメの巣が

出来あがっていだ。縁側の上のひさしに三個もこしゃって

みんな忙しく飛び回っている。

「きんぞう、さんど豆とって来ぉ!」

「う~ん・・」

「う~んじゃねぇ。早くしろ」

婆ちゃんに言われで畑さ行ぐど、オレの背の高さぐれぇ

伸びたさんど豆が緑に光っている。

ザルに入れで台所さ持ってぐど婆ちゃんがスジを取って

おつけに入れだ。味噌の香りが囲炉裏のでっけぇ鍋がら

立ちこめる。

「朝めし食ってごっこど学校さ行け」

父ちゃんが横座にびだぐらして言うと、婆ちゃんが詰めた

弁当箱をランドセルの上さ乗っけだ。

門場を出っときにツバメが畑の上を空中転回してオレを見送った。

 

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よーくと=良く

こしゃる=作る

さんど豆=さやえんどう

おつけ=お汁

ごっこど=さっさと

びだぐら=あぐら

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